ホームランバッターのスイングは何が違うのか?
野球をやっている人で誰も憧れるホームラン。
たった一振りで最低1点、最高で4点。
それだけではなくチームの雰囲気や球場の雰囲気までも変えてしまうこともあるほどの力があるのがホームランです。
ですが当然ホームランは打つのは難しいですし、誰でも簡単に打てるようなものではないです。
野球選手の中にはホームランバッターと呼ばれる選手も多くいます。
一方でホームランはあまり打たないが打率が高い選手だって多くいます。
様々なタイプのバッターがいる中でホームランバッターのスイングは一体何が違うのか?
今回はそんなホームランバッターのスイングについて紹介していきたいと思います。
ホームランバッターのスイング
ホームランバッターの中でもスイングを細かく分析すると違いが出てきますので多くのホームランバッターに共通する部分を紹介します。
ホームランバッターとそうでない打者との明らかな違いは
ホームランの打ち方を知っているか
そのスイングを出来るかどうか
かなり大雑把な説明ですがこれらが私は大きいと思います。
そもそもホームランにの打ち方、ホームランを打つには何が必要か?
これをホームランバッターたちは知っています。
そして、その必要なものをどのようにしてパフォーマンスとして表すか、どのようにスイングをすればそれが出来るかを考えてスイングを作っていきます。
ここがホームランバッターのスイングとそうでない選手との大きな違いですね。
ではホームランを打ち方、ホームランを打つのに必要なこととは。
これには様々な意見が指導者によってあると思いますが私は
・ポイント
・バットの入れ方
・体重移動
この3つが特に重要だと思っています。
この3つをしっかりと理解したうえでこの3つを打撃時にうまく行えるスイングを身につけることでホームランバッターに近づけると思います。
それではこれら3つを活かしたスイングを身につける練習を次に紹介していきます。
ポイント
ポイントとはボールをどの位置で打つかということです。
分かりやすく極端な例を出すと、ものすごく体に近い位置で窮屈内地でボールを打つよりも、ある程度距離を取り、体の前でボールを打ったほうがボールに力を伝えられますよね。
要はボールにより大きな力を伝えられるポイントを探し、そのポイントでボールを打てるようにしていくことで打球を飛ばすことが出来るということです。
しかし、この力が伝わるポイントの位置というのは人によって若干位置が違うことがあります。
プロ野球選手などを見てもそうですが、ポイントがかなり前の位置でホームランを打つ選手をいれば、体の近くまで呼び込んでホームランにする選手もいます。
ですのでまずは自分に合ったポイントの位置、自分の一番力を伝えられるポイントの位置を探すことから始めていきます。
その練習方法としてまずおすすめなのがトスバッティングでしょう。
ここで言うトスバッティングとはピッチャーに前から軽く投げてもらいそれをワンバウンドでピッチャーに打ち返すというメニューです。
多くのチームが普通に取り入れているメニューですが意識する点は打つポイントです。
よく「打つポイントは前」というような指導をする人もいれば「少し腕をたたんだくらいのポイント」というような指導者もいます。
これに関しても正解はなく、自分の打ちやすい方が結果的に正解になります。
このポイントはトスバッティングで自分に合うものを見つけていきましょう。
しっかりとピッチャーにワンバウンドで返せる、かつスムーズにバットが振れるポイントの位置を見つけましょう。
自分に合っていないポイントで打つと、インパクトの後にスムーズにバットが抜けない、スイングが出来ないなのでポイントの位置を確かめる探す練習としては非常に分かりやすく効果的です。
次にティーバッティングをしていきます。
ここで言うティーバッティングは普通にトスしてもらったボールをネットに向かって打つことです。
この時に意識することは先ほど見つけた自分のポイントでしっかりとボールを強く打つことです。
あとはトスの際に各コースにトスをしてもらい、各コースどのようにして自分のポイントで打つかどうかをスイングしながら体に覚えさせていきます。
しっかりと自分のポイントで力強く振ることが出来たらそれを繰り返して体にそのスイングの形を覚えさせていきます。
この時点でおそらく自分に合ったバッティングフォームの基本的な部分は出来てきます。
あとは正面から実際にピッチャーが投げたボールをそのスイングでできるかどうかです。
トスバッティングやティーバッティングとは違い、当然ピッチャーが投げるためですのでスピードもありますし、どこに来るかも分かりません。
そこでどうやったらここまで体に覚えさせてきたフォーム、ポイントで打てるのかを調整していきます。
このような流れで自分に合ったポイントを探し、そのポイントで力強いスイングを出来るように形を作っていきます。
もちろん実際の投手は正面から投げてきますので若干感覚は変わるでしょうが、打球を飛ばすコツの1つであるポイントについてはこの練習方法で身につけることが出来ます。
このポイントで打つことが出来るとパワーのない選手でもより遠くへ飛ばすことが可能になります。
ホームランバター=大きな選手というイメージが強いかもしれませんが必ずしもそうではないです。
確かにポイントがズレても力で強引に飛ばせるというのも魅力的ですが、しっかりと自分のポイントで打てれば小さな力でも十分打球は飛びますよ。
バットの入れ方
バットの入れ方というのはボールに対しどのようにバットを入れるか、当てるかということです。
先ほど紹介したポイントの位置でボールを打てば強い打球を打つことは出来ます。
ですが打球を飛ばすには当然打球に角度が必要になりますよね。
また分かりやす例として極端な話をしますが、いくら自分のポイントで打ったっとしてもバットを上から叩きつけるようにボールの上を打てば強い打球は飛んでも遠くへ飛ばすことは出来ます。
ですのでどのようにバットを入れればいい角度で打球が上がるのか、そしてそのスイングはどのようなスイングかを考えていく必要があります。
これらを身につける練習方法としておすすめなのがロングティーです。
ロングティーはピッチャーの投げたボールを打つのではなく、トスされたボールを打ちますので、ボールを飛ばすのに反発力に頼ることができません。
これはつまり、自分のスイングによるものでしかボールを飛ばすことができないということであり、自分のスイングの状態がそのまま打球に表れるのがロングティーの最大の特徴です。
どのようなスイングをすればロングティーで打球をより遠くへ飛ばすことができるのか?
そういったことを考えながらロングティーを行うと、非常に効果的です。
ロングティーはトスされたボールをネットに向かってではなく、遠くへ打っていきます。
この時にどのような角度でバットを入れれば打球を飛ばすことが出来るかを考えて打ってみて下さい。
上から叩きつければ低い打球になり、救い上げればフライになります。
ボールをどのようにバットで打てばいい角度で打球を飛ばすことが出来るか、そのコツをロングティーで身につけていきます。
この時に先ほどのポイントもしっかりと意識してください、
またロングティーの細かいやり方や、意識すべき点については下の記事で詳しく紹介していますので良かったら参考にしてください。
ロングティーの効果的なやり方を紹介!野球 バッティング上達方法
2つ目の練習メニューはバックスピンティーバッティングです。
バットを入れる角度によってはボールに強烈なバックスピンを加えることができ、打球を遠くへ飛ばすことが可能になります。
分かりやすいイメージとしては、バットを上から叩くようにボールを打てばボールの上側を叩くことになりトップスピン(順回転)がかかります。
これだと鋭いゴロは打てますが、遠くへ伸びる打球は打てません。
逆にボールに対しバットを下から、またはレベルスイング(水平)で打ち、ボールの下側を捕らえればバックスピンがかかり打球は上がりやすく、さらに伸びやすくなります。
近年、話題になっているフライボール革命とは簡単に言ってしまえばこのことで、アッパー気味なスイングでフライを打ち上げるイメージで振ることでボールにバックスピンを加えてボールをより遠くへ飛ばすということです。
ホームランアーチストと呼ばれる選手たちはこのバットの入れ方や、バックスピンのかけ方を知っています。
パワーがなくてもバットの入れ方やバックスピンをかけられるかどうかで打球の飛距離ははっきりと変わってきます。
そんなバットの入れ方と、バックスピンを加えるスイングを身につける練習がバックスピンティーバッティングです。
ティーバッティングで使われるティースタンドを使った練習メニューなのですが従来のティースタンドは
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このような形のボールを置くタイプのものが多いです。
ですがこのタイプのティースタンドですと置いてあるボールを打つため、どうしても上から打つスイングになってしまいます。
これではトップスピンがかかった打球になってしまい打球は遠くへは飛びません。
打球を飛ばすためのスイングを身につけるティーバッティングはボールを吊るすティースタンドを使うことで身につけることが出来ます。
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このようなティースタンドを使ってティーバッティングを行っていきます。
この練習メニューはメジャーリーグの約30球団をはじめ、日本のプロ野球球団やアマチュア野球のチームでも多くのチームが取り入れています。
また、セッティングも1人で簡単に出来るため個人のトレーニングとして使いやすいのも特徴です。
この練習で打球を飛ばすためのバットの入れ方や、バックスピンをかけるスイングを身につけることができ、打球の質は明らかに変わると思いますよ。
体重移動
体重移動とは下半身にためた体重をうまくボールに伝えることです。
上半身だけでバットを振るよりも下半身、体全体を使った振ったほうが力強いスイングができます。
ただし、この体重移動というのは意外と難しく、上手く出来ていない選手も多いです。
間違った形で身につけると打てない原因にもなってしまいますのでそのあたりに注意して、正しく体重移動を身につける必要があります。
しっかりと身につければ、打球を飛ばすのに大きな武器になりますので是非とも打球を飛ばすコツとして身につけておきたいことです。
そんな体重移動を身につける練習として寸止めティーバッティングを紹介していきます。
寸止めティーバッティングとは上半身の力に頼らず打球を飛ばす体の使い方を身につける練習です。
やり方はまず、両肘を両脇腹につけた状態でバットを自分の体の前に位置させ固定させます。
この状態でボールをバットで打っていきます。
注意する点は肘を脇腹から離さないこと。
このティーバッティングでは腕の力や上半身の力は一切使ってはいけないので肘はつけた状態のままでバットの位置も固定させてください。
また、この時に手首で打とうとしたりするのも禁止とさせていただきます。
ではどのようにして打つのかと言いますと、バットを固定した状態で下半身で体重移動を行い、軸の回転の中でボールにその体重をうまく伝えて打球を飛ばします。
下半身の体重移動をうまく行わないと、この寸止めティーバッティングでは打球を飛ばすことは難しいです。
まずは、近い距離でネットに向かって打っていく形で良いです。
体重移動やバッティング時の下半身の使い方を寸止めティーバッティングで身につけていきます。
当然、この形で強い打球を打つには下半身の使い方、体重移動をうまく行わないと無理ですのでよりう良い打球を打てるように意識しながら打っていきます。
そして、強い打球が打てるようになったら、今度はネットではなくロングティーと同じような形で寸止めティーバッティングで打球を遠くへ飛ばしていきます。
繰り返していくうちに下半身の使い方や体重移動が打球を飛ばすのにいかに重要かが分かるようになると思います。
ちなみに、この寸止めティーバッティング、腕や上半身の力を使いませんがトスされたボールをホームベースから外野フライあたりまで飛ばすことも出来ますし、選手によっては外野の頭を軽く超える打球を飛ばす選手もいます。
寸止めティーバッティングで打球が飛ばせるようになればなるほど、体重移動の重要性が分かると思います。
体重移動を意識しながら、寸止めティーバッティングを行ってみて下さい。
他におすすめのティーバッティングとして歩き打ちという練習方法を紹介します。
やり方は簡単で2,3歩歩いてからボールを打つという練習です。
最後の一歩は軸足にして、そのままの流れでスイングに入ります。
トスをする人はそのタイミングを見ながらうまくトスをしてあげて下さい。
この練習の意味というのは歩く流れでそのままボールを打つことで軸足から体重が移動する感覚が分かりやすく、スムーズに行いやすいということです。
人間は当たり前のように歩いていますが、そのなかで体重の移動を行っています。
その人間の自然な動きの中からバッティングに必要な体重移動を分かりやすく身につける練習としてこの歩き打ちというのはおすすめです。
出来れば歩いてからボールを打つティーバッティングの形が理想ですが、出来ない状況であれば歩いてからの素振りでも問題ないです。
家で素振りをするときや、1人で練習をするときなどは歩いてから素振りをするだけでも十分効果的な練習です。
体重移動をしっかりと身につけるととても大きな力をボールに伝えることが出来るようになります。
ホームランに必要な物=パワーや筋力だと勘違いし、筋トレを中心にパワーをつけていてもそれがホームランを打つのに活きるわけではないです。
自分のスイングをしつつ、体重移動を正しく行うことで自分の体全体の力をしっかりとボールに伝えることが出来れば筋力やパワーが少なくても打球は飛びます。
ホームランを打ちたいからと筋力をつけても、それをバッティングに活かせなければ意味がないですのでその点は注意してください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はホームランバッターのスイングについて紹介させていただきました。
ホームランバッターのスイングはやはりホームランを打つのに必要なことを取り入れたスイングになっています。
ホームランバッター以外のスイングが間違いでは決してないのですが、やはりホームランバッターのスイングというのは、その選手のパワーや筋力以外にも少し違ってきます。
ホームランを打ちたい、打球を遠くへ飛ばしたいという人は是非とも参考にしてください。
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